鮎の生態【図解】

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鮎の一生

アユ(鮎)は1年で寿命を終えるため『年魚』とも呼ばれる魚。まれに越年して2年生きる個体もありますが、ほとんどの魚は1年で産卵してその短い生涯を閉じます。また、スイカのような独特な香りがすることから『香魚』という呼び名もあります。

サケと同様、アユは川で生まれて海へと下る魚です。川の下流域でふ化した仔魚はすぐに海へ下り、海中のプランクトンを食べて成長します。そのまま半年ほど海で過ごし体長5~10㎜に成長したアユは、春を迎えて水温が上がってくると、生まれた川に戻ってきて一気に遡上を
開始。川を上り始めたアユはプランクトンや水生昆虫を食べていますが、成長すると石に付着したコケ(珪藻類。釣り人は『アカ』とも呼ぶ)を主食にするようになります。

アユがコケを食むようになると、質のよいコケの付いた石の周りを自分のナワバリにして、侵入者を追い払おうとします。その習性を利用したのが、アユの『友釣り』なのです。

地域や河川にもよりますが、アユがナワバリを意識しはじめるのはだいたい6月頃から。それに合わせて6月~7月初めに友釣りも解禁となります。

秋になると成熟した個体どうして群れを作り、産卵のために下流へと川を下り始めます。この時期がいわゆる『落ち』のシーズンで、川を下るアユを『落ちアユ』と呼びます。

下流部に集まったアユは、小砂利が敷き詰められた瀬で産卵。大役を果たした親魚は川や海の養分となって、次の世代へとその命を引き継いでいくのです。

鮎の一生

鮎の一生

東北 鮎の生態

東北 鮎の生態

鮎の分布

アユはキュウリウオ目・アユ科に分類されるわが国を代表する川魚である。その名が示すようにキュウリウオはキュウリに似た匂いを発する魚で、わが国では北海道の一部河川へ遡上してくる。アユはスイカ、キュウリウオはキュウリ、ともにウリの香りをもつのが特徴。

キュウリウオの仲間にはワカサギやシシャモなどがいて、日本人にはなじみ深い。以前はアユもキュウリウオ科に分類されたが、近年はアユ科・アユ属として個別に分類するのが一般的だ。

分布域は朝鮮半島からベトナムに至る東アジア一帯であるが、わが国のアユと違って濁った河川にも生息するため、厳密には同種とは言い難い。そういう意味では日本固有の魚といってよく、「国魚」の字を当てられることもある。他に「香魚」「細鱗魚」「年魚」などの漢字も
当てられるが、それほど日本人にはなじみ深い魚ということだろう。

北海道の道東と道南から沖縄まで広く分布するが、奄美大島に分布するアユは鱗が大きく、背ビレが長くて全体にずんぐりしており、別亜種のリュウキュウアユの名で分類される。

鮎の分布

鮎の分布

鮎の名称

鮎の名称

鮎の名称

メスとオスを見分ける方法

アユは背ビレの後ろにアブラビレと呼ばれる突起状のヒレをもつ。これはサケ科の魚に見られるもので、イワナやヤマメなどの背中にも見ることができる。アユの体つきや口の形はサケにそっくりだ。

メスとオスの区別は難しく、釣り人は尻ビレの形で見分けていることが多い。尻ビレの前方がやや高く、尾ビレに近づくにつれて低くなっているのがメス。尾ビレに向かってまっすぐ伸びているのがオス。尻ビレに段差やくびれがあればメス、それがなければオスだと思って間違いないだろう。

ただ、産卵期が近づくとオスは背部が黒光りし、胸からお腹にかけて淡い橙色の婚姻色に染まるから簡単に見分けることができる。体もスマートになる。メスは体色が淡く薄れて白っぽく見え、抱卵するとお腹のまわりが膨らんで全体に丸みを帯びてくる。

オス、メスの見分け方

オス、メスの見分け方

ハミ跡  アユ釣り

夏、アユの魚影が濃い中流域では一帯にスイカに似た香りが漂う。この香りは体内の不飽和脂肪酸が酸素によって分解されるときのものであり、脂肪酸はエサや水質などの影響を受けるため、育ち方や育つ河川によって香りの強さが違う。

藻類を食べるから香りを放つともいわれるが、河口域にいるときも同じ匂いがする。海ではプランクトンを補食し、河口では水生昆虫などを食べるため、アユの口には犬歯状の歯があるが、川石についた石アカ類を食べるようになるとブラシ状の歯に変わる。

川岸からは、アユが石や岩に頭を擦りつけるようにしながら表面に付着した石アカを食べる姿を目撃することができる。これはアユ特有の行動だから、その動きで他の魚と区別できる。

石や岩には俗に「ハミ跡=食み跡」と呼ぶばれる紡錘形の食跡が残る。魚影の濃い場所、活性の高い場所ほど「ハミ跡」が多いため、偏光グラスを通して川を覗き込み、石や岩を観察すればポイントを選ぶ目安にもなり、大きさからアユのサイズも推測できる。

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鮎釣り ハミ跡

鮎釣り ハミ跡

鮎 縄張り意識と闘争本能

アユの歯が川石に付着した石アカを食べやすいようにブラシ状に変わるのは、体長が8㎝前後に育つころである。湖産アユの場合はそれよりもう少し早いようだ。

川を遡上するアユや放流された直後のアユは群れで流れの緩やかな場所を泳いでいるが、石アカを食べるようになると群れから離れ、自分だけの縄張りをもつようになる。

縄張りをもつのは主食である石アカが豊富な石や岩を確保するためで、ふつう1尾のアユが占有する範囲は直径1mの円内だと言われている。おもしろいことに天然アユは縄張り意識が薄く、せっかく縄張りを作っても他の群れといっしょに移動してしまうことがある。逆に湖産アユは縄張り意識が強く、エサが豊富な場所を見つけるとそこに定住することが多い。とはいえ、すっと居続けることは少なく、翌日はまた別の場所に縄張りを作るようだ。人工産のアユは人工飼育されて育ったせいか縄張りを作る事がないことさえある。

天然遡上のアユは海から長い距離を移動するため、豊富なコケがある場所を奪い取ろうとして先住者を追い回す。闘う相手がオス同士であれば縄張りをめぐる闘いは熾烈を極め、激しく体をぶつけ合う。

エラの後ろにある小判型の黄色い斑点を「追い星」というが、この色が鮮やかなアユほど闘争心が強く、したがって縄張りをもつアユを刺激しやすい。

このような縄張りをもたないアユを「遊びアユ」などと呼ぶ。闘争心の薄い人工産や縄張り意識の薄い海産や天然アユなどに多く見られ、群れを作ったまま泳ぎ回っているのが特徴だ。魚影が濃いのにハリに掛からないのは、こうした「遊びアユ」かもしれない。

鮎釣り 石アカの見つけ方

鮎釣り 石アカの見つけ方

石に付くコケ(藻)の量

アユのなわばり(摂食なわばり)はおよそ1メートル四方といわれてきたが、なわばり内にはどのくらいの食料を確保しているのだろうか。川那部氏の研究では次のようです。

夏の中流域の瀬では、藻類の量は石の表面100c㎡当たりおよそ2.5g(湿重量)くらいある。川の水面面積1㎡あたりにすると350gくらいあり、一日にその1/3にあたる115gぐらいが増加している。

アユが一日に食べる量は約20g(湿重量)くらいなので、毎日増える藻を全部食べても1㎡あたり5~6尾が住んで成長していける。即ち、なわばりアユは5~6尾分の食料がある面積を確保していることになる。

アユは、一日に自分の体重の15~25%の量を食べるとも、自分の体重の半分くらい食べるとも報告されている。条件の良い所では、1平方メートルでアユ10尾位が生息できるほど藻類が豊富なところもあるようです。

参考サイト:石垢(イシアカ)の話

参考文献:

1.アユ釣りがわかる本

2.明解 友釣り読本 高塚 靖弘

3.アユ釣り 超思考法 小沢 聡

4.アユ読本   伊藤 稔

5.友釣りABC 福田 眞也

6.鮎釣り 烈士伝 鈴木 康友


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